Lucky Date
7月5日 Friday 2013
LUCKY DATE / BIO
その輝かしいアーティスト名にもかかわらず、Lucky Dateこと Jordan Atkins-Loriaはシーンにおいてその地位を確立するまでには相当の努力を要したわけだが、他に類を見ないそのプログレッシブなハウスサウンドは、しだいに大きく注目を集めるようになり、シンセエンジニアとして、David Guetta やPorter Robinsonらのヒットトラックの影のプロデューサーとしてその実力を大いに発揮し、その名声は単にLuckによるものではないことを証明することになる。ZEDDとの共作でエリー・ゴールディングがヴォーカルを担当するというなんとも夢のようなトラック「Fall into the Sky」は、予想を上回るビッグチューンとなり、音楽史上に残る究極的なエナジーを表現することに成功。現在ではすっかりプロデュース、Remixのオファーが殺到するほどのアーティストとなり、Madonnaの「Girl Gone Wild」のリミックスでは、Avicii とDada Lifeに肩を並べ、Steve AokiとKid Cudiとは実にパワーハウスなコラボレーションをし、2013年3月には現在シーンのトップに君臨するHardwellの「Apollo」のリミックスプロジェクトに参加するなど、その功績はすでに輝かしい限りである。いまEDMのシーンで最も注目を集めるヤングブラッドであるということは十分にお分かりいただけるだろう。
サンフランシスコに育ち、5歳からドラムを始めたこの若きプロデューサーはベイアリアでのレイヴでエレクトロニック・サウンドに衝撃を受け、間もなくシカゴに移り住むとすぐにエレクトロニック ハウスサウンドの制作に打ち込み始めた。その後、2010年、20歳でREMIXした、Spencer & Hillのトラック、「Dub Disco」が大きく評価されチャンスをつかむこととなる。
彼はyoutube上でビート制作のハウトゥーのチュートリアルを行うというチャンネルも展開しており、これまでに実に700万回近くのビューと1万8千人以上のサブスクライバーを擁するなど、ネット上のちょっとした現象にもなっているのだ。人に教えることが好きだというJordanはギグの前に、地元のカレッジでセミナーを開くこともしばしばなのだという。
彼のサウンドは本人のその言葉がそれをよく表現している。「音楽的にはハードでヘビーかもしれないけど、常にビルドアップして、進展していく様はプログレッシヴ・ハウスそのもの。いろいろなテンションが僕のトラックやセットにはあるのだけど、そのバラエティの中で遊ぶのが好きなんだ。ビッグサウンドを創り上げて、ふとした時に全く逆のメロディに持ち込むとか…」彼のセットを聞けば、その芸術的なまでのテンションののコントロールに気が付くだろう。「僕はクラウドをジェットコースターに乗せたかのような気持ちにしたい、そしてできるだけ、お客からのバイブにもこたえるようにしている。でも、根底にあるのは、単純に、できるだけたくさんの人に刺激と楽しみを与えたい、ということだけなんだよ」つまり、Lucky Dateとは我々が考えるよりもシンプルなアーティストなのである。